とある投稿者さんが郵便局で遭遇した素敵すぎるエピソードに胸が熱くなります。
大きな花束を抱え列に並ぶ男性。
自分の番がきたら男性がなんと・・・
10年近く前に目撃した出来事を、ふと思い出す。
都内の、とある郵便局を利用した際、前に大きな花束を抱えた男性が並んでおられた。(お花のプレゼントを送りたいのかな……箱に入れないと難しいのでは…それに生花って傷んでしまわないかな?)などと思いながら、そのかたの背中を眺めていた。
列が進み、受付の女性が「次の方、どうぞ〜」と明るく呼ぶと、その男性は、
「あなた、今日最後の日だから、これ、あなたに。あなた、いつもとても頑張っていて、いつもとても素敵だったから。私、いつも見ていて、とても素敵だと思っていたから。ありがとう」というようなことを言い、
花束を受付の女性に差し出した。
女性はびっくりしてポカンとした顔になり、「えーっ……」と声を震わせて花束を受け取った。
男性は列の後ろを振り向いて、「このかた、今日でこの仕事、さよならだそうです」と説明をして微笑み、拍手をした。
その場のお客さんたち(私も)は、
わあ〜〜!と一緒に拍手をして、喜んだ。受付の女性は、「そうなんです、私、ここに勤めるのは今日が最終日でございまして…皆さまありがとうございました」と一礼された。
ご退職なのかご異動なのかはわからないが、この女性にはもう会えないのだなと思ったらとても寂しかった。実は私もこの郵便局を
しばしば利用していて、この受付窓口の女性にお世話になっていた。とてもハキハキと元気で感じが良く、空いているときは軽い世間話(しかもさり気なく、こちらが元気になれるような明るい雰囲気の)をして下さることもあって、良い人だな〜と思っていたのだ。
花束を贈呈した男性は外国のかたのようで、きっと故郷などへの国際郵便でいつも利用しておられたのではなかろうか。
異国の地で郵便局を利用する際は、最初はとても神経を使うし、手続の難しさに辟易もする。きっとこの受付窓口の女性は、懇切丁寧に、しかも明るく楽しく、お手伝いをされたのだろう。
感情労働とされるサービス業に従事しておられる方は、きっとみんな、疲労困憊の日も寝不足の日も二日酔いの日も、雨の日も風の日も雪の日も、恋人に振られた日も大切な人をなくしたばかりの日も、笑顔で頑張っておられるのだろう。それがたとえ、「職業的」微笑だったとしても、その人が誠心誠意仕事に
向き合っていることは、サービスを享受する側にきっと伝わる。
私が遭遇した郵便局の女性は、「感情労働」を超えて、もはや「献身」と呼べるほどの姿勢にさえ思えた。きっと彼女の人柄のなせるわざだったと思う。サービスを受けられることを、「当たり前」に思うのではなく、同じ人間がこうして
時間と労力と感情を動員して、自分の用事、要件に向き合ってくれるのだという基本的なことを、忘れないようにしたい。
機械化や電子化が見えにくくする「人間の労働」の本質を忘れないようにしたい。
対価を払えば何でもOK、という態度は人間を無機質なロボットにしてしまう。
そのことを教えてもらった一件だった。
花束を抱えて、くしゃっと笑った彼女の笑顔が、今も記憶に残っている。
女性の接客がとても素晴らしいものだったことが伝わってきます。
どうしても感謝を伝えたかったのでしょう。
なんて素敵なエピソードなのか・・・ジーンとしてしまいましいた( ;ᵕ; )
【引用元】