私達夫婦は、結婚して7年になります。
周囲からはおしどり夫婦と言われる程仲のいい私達夫婦。
周囲に笑われる程、今でも旦那とはラブラブです。
しかし、私達には誰にも相談出来ない事が一つだけありました。
それは、子どもが出来ない事。
子どもが大好きで早く子どもが欲しかった私達は、ずっと子作りに励んできましたが、全く恵まれずにいました。
もしかしたら、相性が悪いのか、それともどちらかに何かしらの原因があるのか…
そんな不安を抱えながらも励まし合い頑張ってきたのです。
そしてやっと、結婚して5年目の時に待望の妊娠が発覚。
ついに待ち望んでいた我が子を授かる事が出来たのです。
赤ちゃんは、お腹の中ですくすくと成長し、私のお腹をよく蹴ったりする程とても元気のいい男の子でした。
旦那も私も、最低2人は子どもが欲しいと結婚当初から話していましたが、
「最初は男の子で次は女の子も欲しいね!」なんて話していたので、2人とも大喜びで今か今かと生まれて来る我が子との対面を待ちわびていました。
旦那にいたっては、生まれて来る前からサッカーボールを買ってきて子どもにサッカーを教えるんだと張り切っている程。
まだ気が早過ぎる!と、言っても何より男の子が生まれて来る事が一番嬉しかったのは旦那の方だったのでしょうね。
そして、ついに我が子が生まれ私達の愛すべき息子とやっと対面する事が出来ました。
感無量…今でもあの時の瞬間は忘れる事が出来ません。
もしかすると、お母さんにはご理解頂けるかもしれませんが、私は息子を出産した瞬間何故か涙が止まらず、号泣してしまいました。
嬉しい気持ちはもちろんですが、何かこう、特別な感情が込み上げてきたのです。
こうして私達は親となり、3人での新しい生活がスタート。
まだまだお母さんとして新米で分からない事だらけでしたが、何よりも幸せな気持ちでいっぱいでした。
しかし育児をしている過程で、少し息子の様子がおかしい事に気付いたのです。
それは、あまり気にならないような事だったのですが、さすがに何かがおかしい…最初は全く気付かない程度でした。
◯ミルクを全然飲まない
◯ずっと寝たままで1日のほとんどを寝て過ごしている
少し気になり、旦那に相談して出産した病院で検査をしてもらう事にしました。
すると、そこで私達は思いもよらない事を先生から告げられる事となったのです…
『残念ですが、お子さんはダウン症の可能性が非常に高いです。』と助産師
私は、目の前が真っ暗になりました。
『先生、ダウン症って本当なんですか?』
『はい。
残念です。
検査結果が出ましたので、間違いありません。
その他、体の特徴などから見てもほぼ間違いないでしょう。』
先生の話す言葉は聞こえていても、その意味が全く理解出来ず呆然と立ち尽くしてしまいました。
まさか…自分の子がダウン症だなんて…
これからどうしていけばいいの。
頭の中でひたすらこんな事がよぎっていました。
しかし、私の横で黙って聞いていた旦那だけは、その場の誰とも違った感情だったのです。
『先生、何ですって?
ダウン症だから何なんですか?
あなた、命を取り上げる身として恥ずかしくないのですか?
ダウン症だろうと私の子に変わりはない。
”残念”という言葉を撤回してください。
ダウン症というだけで哀れむ事が、そう思われるのが普通なのですか?
残念ってハッキリあなた言いましたよね?
残念じゃない!
残念なんかじゃない!!』
大声を上げる旦那。
私はこんなに怒りを露にする旦那を見た事がありませんでした。
しかし、そんな旦那を横目で見ると、手は震えて目元には大粒の涙が溢れていたのです。
この旦那の言葉を聞いて、まず私自身が恥じるべきです。
母親として失格だと強く自分を責めました。
旦那の言う通りです。
「ダウン症だから何なんだ」
「ダウン症だからって私達の大事な大事な子どもである事に代わりはない」
残念という言葉を使ってしまい、激しく怒りながら撤回を要求する旦那の姿を見て、助産師さんも何かに気付き心打たれたのか、必要以上にその場で土下座までして謝罪して頂きました。
ダウン症。
それは言葉で簡単に言い表す事などできないほど子どもにとっても辛いものです。
しかし、目を逸らさずしっかり向き合って支えて行く事が重要なのです。
私達は、息子と今一緒にいられる時間を何よりも大事にして、息子に心から愛情を注ぐと共に、生まれてきてくれた事を感謝しながら3人で歩んで行きます。
【引用元】